自分にピッタリがすぐ分かる!|PDF編集ソフト7種類の徹底比較

PDF編集ソフト

みなさん、PCやスマートフォンでPDF文書を扱うことはありますか?

PDFは、端末やOSを選ばずに特別なソフトやアプリが無くても簡単に閲覧できて便利ですよね。

最近は印刷物の原稿や、電子書籍、改ざん防止文書等、数多くの用途でPDFが使われており、個人・企業を問わず幅広く利用されている文書形式です。

そんなPDFですが作成するためにはPDF編集ソフトと呼ばれるソフトウェアが必要です。
数多くのソフトウェアメーカーから発売されていますので、どれを選べば良いか悩む方も多いようです。

ということで、今回はみなさんにピッタリなPDF編集ソフトがどれか、価格面と機能面で比較・レビューした結果をまとめました。

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PDF編集ソフトとは

ワードやエクセルといった紙に印刷可能なドキュメントに対して、PDF形式の文書ファイルを作成したり、PDF文書に対してマーカーやコメント等の注釈付けやページの回転・ページの挿入・結合、しおりの追加等を行うためのソフトウェアを意味します。

無料のものから有償のものまで幅広く存在しており、特に無償と有償では、出来ることが大きく違います。

また、最近ではPDFの直接編集と呼ばれる機能により、ワードのようにPDF文章のテキストや画像を自由に編集することができる製品もあります。

PDFはAcrobat製品がベストチョイスじゃないの?

PDFとは、Portable Document Formatの略です。
元々は、Acrobatを販売するAdobe社が開発した文書に関するファイルフォーマットを意味しています。

Adobe社は、このPDFのファイルフォーマットを1993年より無償で公開し、国際標準規格(ISO 32000)として標準化され誰でも利用できるようになり、現在では様々なソフトウェアメーカーがPDFの編集ソフトを発売しています。

このような経緯から、当然ながらAdobe社の「Acrobat Pro DC」が現在もPDFの作成・編集について数多くの機能を搭載し、より高度な使い方ができることは確かです。

しかしながら、「Acrobat Pro DC」は現在、サブスクリプションによる契約形態のみになっており、毎年18,960円(税別)といったかなり高額な利用料を毎年支払う必要があります。

PDFの利用について、ちょっとした注釈を入れたり、PDF作成ができれば良いといった方も多いでしょう。
このような用途であれば、数千円で永続ライセンスの他社製品を使うほうが断然お得です。

どんなPDF製品があるの?

数多くのソフトウェアメーカーがPDF編集ソフトを発売しています。

まずは価格面を見ていきましょう。

ソフトウェア名 PDF
element7
標準版
PDF
element7
Pro版
いきなりPDF
Ver 6
STANDARD
いきなりPDF
Ver 6
COMPLETE
JUST PDF 3
作成
編集
データ変換
JUST PDF 3
作成
高度編集
データ変換
Acrobat
DC Pro
Acrobat
Reader DC
メーカー wondershare wondershare SOURCENEXT SOURCENEXT JUSTSYSTEM JUSTSYSTEM Adobe Adobe
定価(税込)
ダウンロード版
5,980 9,980 4,298 10,778 4,423 11,314 20,476
(年間)
無料

※Acrobat Pro DCは、年間の利用料です。毎年同額の費用が発生します。
Acrobat以外は永久ライセンスです。

こうしてみると、同じPDF編集ソフトでも価格の差がかなりあることが分かります。
この違いは、主に搭載する機能の違いによるものです。

安いものであれば、4,000円前後で購入することができます。
PDFの作成や注釈、結合といった使い方であれば、低価格のもので十分対応可能です。

PDF編集ソフトの機能比較

大きく「基本機能」「セキュリティ」「PDF変換・抽出」「直接編集」の4つに分けて機能面を比較してみました。
比較は、2019/9/1時点で公開されている取扱説明書やサポートセンターへの問い合わせ等で確認しています。

基本機能

PDFの閲覧や作成、注釈や組み換え(結合、分割、ページ抽出)など、PDFを取り扱う上で一番使われるであろう機能をまとめて比較しています。

ソフトウェア名 PDF
element7
標準版
PDF
element7
Pro版
いきなりPDF
Ver 6
STANDARD
いきなりPDF
Ver 6
COMPLETE
JUST PDF 3
作成
編集
データ変換
JUST PDF 3
作成
高度編集
データ変換
Acrobat
DC Pro
Acrobat
Reader DC
定価(税込)
ダウンロード版
5,980 9,980 4,298 10,778 4,423 11,314 20,476
(年間)
無料
PDF閲覧 PDFの閲覧
テキスト検索
PDF作成 PDF作成 ×
複数一括変換 ×
PDF編集 ページの移動 ×
ページの回転保存 ×
しおりの追加・編集 ×
注釈機能
OCR機能 × ×
添付ファイル追加 ×
PDF圧縮・最適化 × ×
透かし ×
ヘッダーフッターの追加 × ×
ベイツナンバー追加 × × × × × ×
PDF組み換え PDFの結合 ×
PDFの分割 ×
PDFのページ抽出 ×

注釈機能は、ノート、テキストボックス、線描画、ハイライト、下線、取消線、ハイパーリンクがあるかどうかで確認しました。

この注釈機能もPDF文書に対しては、一般的に広く使われる機能です。
(以下の画像は、PDFelement7の注釈機能)
PDFへの注釈設定

Acrobat Reader DCは、PDFを閲覧するための無料ソフトウェアですので編集機能を持っていません。

それ以外のPDF編集ソフトについては、一通りPDF編集に関して一般的に必要となるであろう機能が十分搭載されていることが分かります。

セキュリティ機能

PDFに対してパスワードを設定したり、印刷や編集などの制限を掛ける機能です。
セキュアな文書等を扱う方には必須の機能でしょう。

ソフトウェア名 PDF
element7
標準版
PDF
element7
Pro版
いきなりPDF
Ver 6
STANDARD
いきなりPDF
Ver 6
COMPLETE
JUST PDF 3
作成
編集
データ変換
JUST PDF 3
作成
高度編集
データ変換
Acrobat
DC Pro
定価(税込)
ダウンロード版
5,980 9,980 4,298 10,778 4,423 11,314 20,476
(年間)
セキュリティ パスワード保護
編集制限
印刷制限
電子署名作成 × × ×
複数一括暗号化 ×

パスワード保護や機能制限等であれば、どのラインナップのPDF編集ソフトでも問題なく利用することができます。
一方、PDFファイルの改ざん防止等に利用する「電子署名作成」については、上位版の製品にしか搭載されていないため、必要とされる場合、購入に注意が必要です。

PDF変換・抽出

PDF変換は、PDF文書をワードやEXCELなどの別の形式に変換する機能です。
また、PDF内の画像やフォーム入力されたデータを抽出する機能を備えているPDF編集ソフトもあります。

ソフトウェア名 PDF
element7
標準版
PDF
element7
Pro版
いきなりPDF
Ver 6
STANDARD
いきなりPDF
Ver 6
COMPLETE
JUST PDF 3
作成
編集
データ変換
JUST PDF 3
作成
高度編集
データ変換
Acrobat
DC Pro
定価(税込)
ダウンロード版
5,980 9,980 4,298 10,778 4,423 11,314 20,476
(年間)
PDF変換 Excel変換
Word変換
PowerPoint変換
テキスト変換
画像変換
複数一括変換 × ×
PDF抽出 フォームデータ抽出 × × ×
(FDFで送信)

(FDFで送信)
画像抽出 × ×
複数一括データ抽出 × × × × ×

PDFから別の形式への変換は、各社とも対応自体はしているのですが、その再現度は各社異なるようです。

PDF文書の元がワードであれば、ワードへの変換は比較的、高い再現度で変換されますがEXCELへの変換は使えないレベルといったPDF文書によるそれぞれの変換に対する適正もあります。

この変換ですが、元々画像でスキャンされた文書をOCR変換してテキスト出力するような利用方法もあります。

直接編集

最近のPDF編集ソフトでは、PDF文書をそのままワードのように文書として直接編集し、テキストの書き換えや画像の貼り換えを行える機能を搭載しているものがあります。

PDF直接編集

上の画像は、PDFelement7 Pro版の直接編集機能を利用しているところです。

本当に、ワードのような感覚で文書が編集できますので、PDFしか原稿が無い場合などには大変重宝します。

ソフトウェア名 PDF
element7
標準版
PDF
element7
Pro版
いきなりPDF
Ver 6
STANDARD
いきなりPDF
Ver 6
COMPLETE
JUST PDF 3
作成
編集
データ変換
JUST PDF 3
作成
高度編集
データ変換
Acrobat
DC Pro
定価(税込)
ダウンロード版
5,980 9,980 4,298 10,778 4,423 11,314 20,476
(年間)
直接編集 文字直接編集(追加・削除等) × ×
画像貼り付け × ×
墨消し機能 × × ×
テキスト指定の一括墨消し × × ×
フォーム作成
(チェックボックス、
ラジオボタン、
テキストフィールド、
リストボックス等)
× × ×

PDF直接編集機能は、基本的に上位版の製品に搭載されていますが、「PDFelement 7標準版」のみ、下位バージョンに関わらず直接編集を行うことができます。

対象のテキスト修正であれば、注釈を駆使して何とかなる場合もありますが、画像の挿入や差し替え、テキストの段落追加といった本格的な編集では直接編集機能が必要になります。

また、アンケートフォーム等の入力欄を持つPDF文書を作成する場合、やはり上位版のPDF編集ソフトが必要です。

非機能要件にも目を向けよう

細かく各社のPDF編集ソフトの機能比較をまとめてみましたが、OCR機能やPDFから別の形式への変換については各社で精度が異なりますし、PDF作成や閲覧起動時のスピードなどカタログから単純に確認できない部分について、実は各社のPDF編集ソフトで差があります。

失敗しないためにも、レビュー記事や体験版等を使って、実際に確認してみるのが間違いないでしょう。

PDFElement起動画面

今回、Wandershare社のPDFelement7 Pro版で直接編集機能やOCR、PDF作成等を試してみましたが、かなり動作速度も精度も良く、ワードの感覚でPDF文書を作成・編集できるので個人的には一番使いやすかったです。

無料体験版が用意されていますので、比較検討されている方は是非、お試しください。

結局どのPDF編集ソフトを選べば良いか

結論から書くと、「各自が使いたい機能によって変わります」となります。

例えば、ワードやエクセルからPDFを作成するだけであれば、特にPDF編集ソフトは必要ありません。

Microsoft OfficeにはPDF形式で保存する機能がありますし、Windows 10であればプリンタに[Microsoft Print to PDF]がありますので簡単にPDF文書が作れます。

また、最近では企業や公共事業での納品の際、形式をPDFで統一したファイル群を電子納品として利用するケースが当たり前のようになってきました。
このような作業を担当する方であれば、PDF作成、しおりの編集、PDF結合といった編集機能を持つPDF編集ソフトが必要になります。

さらに、公的資料や裁判資料等でベイツナンバー(1組のドキュメントで各ページを一意に識別するために利用される番号)が必要な場合や、大量のPDFファイルを一斉に暗号化や文字を指定して墨消ししたい場合等の用途でも選ぶ製品は変わってきます。

もちろん、すべての機能を搭載したPDF編集ソフトを購入すればよいのですが、企業単位では数百本単位で購入することもよくあります。
コスト面から考えても、PDFに対してどのような作業を行えれば良いかという点をよく把握したうえで、製品を選択すると良いでしょう。

ということで以下に用途別のPDF編集ソフトを整理してみました。

主要な用途 おすすめするPDF編集ソフト
PDF文書の閲覧 Acrobat
Reader DC
PDF文書の作成
PDF文書の注釈、結合、しおり付け
暗号化、文書保護(印刷禁止等)
PDFelement7
標準版
いきなりPDF
Ver 6
STANDARD
JUST PDF 3
作成
編集
データ変換
改ざん防止(電子署名)
アンケートフォーム作成
PDF文書直接編集
PDFelement7
Pro版
いきなりPDF
Ver 6
COMPLETE
JUST PDF 3
作成
高度編集
データ変換
Acrobat
DC Pro

企業で購入される場合、全員が高度なPDF編集機能を利用するようなこともないでしょうから、一般利用者は下位版を購入し、本当に必要な方だけ上位版を購入するといったやり方が良いかと思います。

この記事がPDF編集ソフト購入の参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた!!

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ABOUTこの記事をかいた人

千葉県市川市在住。システムエンジニア兼ブロガー兼二児のパパ。 小学生と幼稚園の二人の娘がいます。ついつい、家電製品や新しいグッズが出ると飛びついてしまって家電芸人ならぬ、家電SEと化しています。